今年1月から学習療法を始められたK様は、囲碁を楽しみに来られ、来所時には、毎回囲碁をされていました。しかし、1年程前頃まえから、他の方との会話が難しくなり、囲碁に誘われても、無表情のままで、囲碁をされることがありませんでした。
学習もその日によって、また時間帯によって、学習実施が出来ない状態の時が、あります。
先日N学習士が、K様とのコミュニケーションを意識し、K様の状態に合わせた学習を実施した直後の事でした。お席を立ち上がられて、以前、囲碁をしていた利用者様の方へと、歩いていかれて、笑顔で言葉のやり取りをされました。そして、囲碁盤を抱えて持って来られ、次に白と黒の碁石を両手にかかえて持って来られ、手早くテーブルにセッティングされました。そのまま、しばらく熱心に囲碁をされていました。1年ぶりのことでした。
ご家族様にその様子を伝えると、「そんなことは、もうないと思っていました。」と、涙を流されて喜ばれました。
学習療法を導入して3年間、「その人らしい人生を楽しんでいただきたい」と思ってきた、私たちスタッフにとってうれしい出来事でした。
学習療法担当F嶌